オンライン動画・AIトレーニングだけでは身体が変わらない?

YouTubeを見ながら自宅でトレーニングする。
AIに自分の悩みを入力して、運動メニューを作ってもらう。
フィットネスアプリで毎日の運動を管理する。
最近は、ジムやトレーニング施設へ通わなくても、手軽に運動を始められるようになりました。
無料または低価格で利用できるサービスも多く、
「まずは自分で身体を動かしてみたい」
という人にとって、オンライン動画やAIは便利な選択肢です。
しかし、動画を見て運動を続けているのに、
「思ったように身体が変わらない」
「腰や膝が痛くなってしまった」
「この運動が自分に合っているのか分からない」
と感じる人も少なくありません。
なぜ、便利な動画やAIを活用しても、思うような結果につながらないのでしょうか。
結論からお伝えすると、
オンライン動画やAIが悪いわけではありません。
問題は、
自分の身体の状態を確認しないまま、提案された運動をそのまま行ってしまうこと
にあります。
オンライン動画やAIには大きなメリットがある
まず、オンライン動画やAIトレーニングの価値を否定する必要はありません。
主なメリットとして、次のようなものがあります。
- 自宅で気軽に運動できる
- 時間や場所を選ばない
- 無料または低価格で始められる
- 多くの運動方法を知ることができる
- 運動習慣を作るきっかけになる
- 記録や振り返りに活用できる
特に、
「これまでほとんど運動をしてこなかった」
「忙しくて施設に通う時間がない」
という人にとっては、運動を始めるハードルを下げてくれます。
実際に、テクノロジーを活用した運動プログラムには、運動の継続を支える可能性があることも報告されています。
大切なのは、オンライン動画やAIを使うこと自体ではなく、何を任せ、何を自分や専門家が判断するのかを理解することです。
同じ悩みでも、必要な運動は人によって違う
例えば、同じように「腰がつらい」と感じている人が2人いたとします。
しかし、身体を確認すると、
- 股関節をうまく動かせていない
- 背中の動きが少ない
- お腹やお尻の筋肉を使えていない
- 立ち方や座り方に負担がある
- 以前のケガをかばっている
など、腰に負担がかかっている理由は人によって異なります。
肩こりや猫背、膝の違和感についても同じです。
表面的な悩みが同じでも、身体の状態まで同じとは限りません。
それにもかかわらず、
「腰痛にはこのストレッチ」
「猫背にはこの筋トレ」
「膝が痛い人はこの運動」
と、悩みの名前だけで運動を選んでしまうと、自分に必要な内容とずれる可能性があります。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、
個人差を踏まえて運動の強度や量を調整することが示されています。
つまり、身体を変えるためには、
何をするかだけでなく、今の自分に何が必要なのかを判断すること
が重要なのです。
動画は正しい動きを見せられても、あなたの動きは確認できない
オンライン動画では、トレーナーやインストラクターが正しい動きを分かりやすく見せてくれます。
しかし、動画の中のトレーナーは、画面の前にいるあなたの動きを確認できません。
自分では同じように動いているつもりでも、実際には、
- スクワットで膝が内側に入っている
- 腰を反らせて腕を上げている
- 首や肩に余計な力が入っている
- 本来使いたい筋肉とは別の部分で動いている
- 左右で動き方が大きく違っている
といったことがあります。
鏡を見ながら運動していても、自分の身体の動きを客観的に確認するのは簡単ではありません。
動作の間違いに気づかないまま回数を重ねると、
効果が出ないだけでなく、身体への負担を増やしてしまう可能性もあります。
動画が教えてくれるのは、基本的に「見本となる動き」です。
一方で、パーソナルトレーニングでは、
「今、実際にどのように動いているのか」
「どこで動きを補っているのか」
「どの筋肉をうまく使えていないのか」
を確認し、その場で修正できます。
この自分では気づきにくい部分へのフィードバックが、動画と対面指導の大きな違いです。
AIは入力された情報をもとに答える
AIに、
「腰痛を改善するトレーニングを教えて」
「猫背を治すメニューを作って」
と入力すれば、すぐに運動方法を提案してくれます。
これは非常に便利です。
一方で、AIが回答を作るために使えるのは、基本的に利用者が入力した情報です。
利用者自身が、
- 身体のどこに問題があるのか
- どの動作で痛みが出るのか
- 関節がどの程度動くのか
- 筋力に左右差があるのか
- 過去のケガが影響しているのか
- 正しいフォームで運動できているのか
を正確に把握できていなければ、AIへ十分な情報を伝えることもできません。
入力情報が不足していれば、提案される内容も一般的なものになりやすくなります。
また、AIが提示した回答は、必ずしもその人の身体の状態に適しているとは限りません。
AIは運動の候補を出すことはできても、その運動が目の前の人に合っているかを身体に触れながら判断することはできません。
AIによる運動・健康情報については、専門家による監督が不足する可能性や、回答の妥当性が十分に検証されていない領域があることも指摘されています。
そのため、AIは専門家の完全な代わりではなく、
- 運動方法を調べる
- メニューの候補を考える
- 記録を整理する
- 振り返りを行う
- 専門家へ質問する内容をまとめる
といった補助的な使い方が適しています。
「できる運動」と「必要な運動」は違う
オンライン動画には、短時間でできる運動や、動きが分かりやすい運動が多く紹介されています。
そのため、
「この運動なら自分にもできそう」
と感じやすいのが特徴です。
しかし、
できる運動が、今の身体に必要な運動とは限りません。
身体を変えるためには、現在の状態と目的をつなげて考える必要があります。
例えば、ダイエットが目的であっても、
- 運動習慣がほとんどない
- 膝に不安がある
- 筋力が不足している
- 食事や睡眠に問題がある
- 強度を上げすぎると継続できない
という人では、最初に行うべき内容が変わります。
スポーツのパフォーマンスアップについても、
- 筋力を高める必要がある
- 関節の動きを改善する必要がある
- 動作の使い方を修正する必要がある
- 疲労を回復させる必要がある
など、優先順位は人によって異なります。
目的に近づくためには、運動をたくさん知ることよりも、
自分に必要なものを選び、適切な順番で行うこと
が重要です。
身体が変わらない3つの原因
オンライン動画やAIを使っても身体が変わらない場合、主に次の3つが考えられます。
1.運動の選び方が合っていない
悩みの名前だけで運動を選び、身体の状態を確認していないケースです。
必要な運動と実際に行っている運動がずれていれば、努力を続けても変化につながりにくくなります。
2.フォームが崩れている
見本と同じように動いているつもりでも、別の部分で動きを補っている可能性があります。
回数を増やす前に、狙った場所を正しく使えているかを確認する必要があります。
3.負荷や進め方が合っていない
運動が簡単すぎれば、身体が変わるために必要な刺激が不足します。
反対に、難しすぎればフォームが崩れたり、痛みにつながったりします。
身体の変化に合わせて、
- 回数
- 重さ
- 動作の難しさ
- 運動時間
- 休息
を調整することが必要です。
オンラインと対面指導は、どちらか一方を選ぶ必要はない
オンライン動画やAIと、パーソナルトレーニングは対立するものではありません。
それぞれの特徴を理解し、組み合わせることで活用しやすくなります。
| オンライン動画・AIが得意なこと | 対面指導が得意なこと |
|---|---|
| 運動方法を知る | 身体の状態を確認する |
| 自宅で運動する | 動作の癖を見つける |
| 運動を記録する | フォームをその場で修正する |
| メニューの候補を増やす | 優先順位を決める |
| 習慣化を補助する | 負荷や進め方を調整する |
例えば、
- 最初に対面で身体の状態を確認する
- 自分に必要な運動を教えてもらう
- 自宅では動画を見ながら実践する
- 定期的に動作や身体の変化を確認する
- 状態に合わせてメニューを修正する
という使い方が考えられます。
この方法であれば、オンラインの手軽さを活かしながら、自己流によるずれを減らせます。
私たちが最初に身体を確認する理由
LEAD PERFORMANCE STUDIOのパーソナルトレーニングでは、いきなりトレーニングを始めるのではなく、まず現在の身体の状態を確認します。
確認するのは、単に身体が硬いか、筋力があるかだけではありません。
- 姿勢
- 関節の動き
- 筋力
- 左右差
- 基本的な動作
- 痛みや違和感
- 過去のケガ
- 生活習慣
- 運動経験
- 目標
などを整理し、身体が変わりにくい原因を探していきます。
そのうえで、
身体を動かしやすい状態に整えること
と、
必要な筋力や動作を身につけること
を組み合わせます。
必要に応じて身体をケアし、関節や筋肉を動かしやすくする。
その状態で、目的に合わせたトレーニングを行う。
さらに、身体の変化を確認しながら内容を調整する。
このように、
「整える」と「鍛える」を一人ひとりの状態に合わせて設計すること
を大切にしています。
情報が多い時代だからこそ、必要なのは「選ぶための基準」
現在は、運動方法を知るだけなら、それほど難しくありません。
検索すれば、ストレッチや筋力トレーニングの動画が数多く見つかります。
AIに質問すれば、数秒でメニューを作成できます。
しかし、情報が増えたからこそ、
「自分には何が必要なのか」
「どの情報を信じればよいのか」
「この運動を続けてよいのか」
が分からなくなることもあります。
身体を変えるうえで本当に必要なのは、運動方法をたくさん集めることではありません。
自分の身体を知り、必要な運動を選び、正しく続けることです。
オンライン動画やAIを活用しているのに身体が変わらない場合は、意志や努力が足りないとは限りません。
選んでいる運動や進め方が、現在の身体に合っていない可能性があります。
まずは、自分の身体がどのような状態なのかを確認するところから始めてみてください。
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